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お客様インタビュー 広陵高等学校

今回は当社の大切なお客様であります広島県の野球強豪校、広陵高校の田中清峰理事長にお話をお伺いしました。

当社と広陵高校との出会い

私は平成16年に広陵高校の常任理事となり、平成20年から本校の理事長になりました。野球部との関わりは、平成19年、現在広島カープで活躍している野村君たちが甲子園で準優勝した年の春から野球部に帯同しています。青野スポーツ施設さんとの関わりは、ちょうどその時にZETTさんに紹介されたのがきっかけですね。

当時はグラウンドのメンテナンスもしていない、野球部監督の中井先生は寮で100人の野球部員の世話をしていると言う大変な状況をなんとか変えようと、広陵OBにコーチとして入ってもらうなど徐々に体制を整えているような時代でした。現在は野球部員は150名程度に抑えていますが、多い時は170名もの部員がおり、寮の増築や野球の練習場を増やしたりしていた中で、やっと資金の余裕が出てきたと言うことから、かねてより計画していた雨天練習場を作るなど、練習場を拡大してまいりました。現在スタッフ7名体制で野球部を運営しており、一部のスタッフは以前より要望がありました女子硬式野球部を立ち上げる準備をしているところです。

青野スポーツ施設さんとのお付き合いで覚えているのは、本校の野球場は旧広島市民球場と同じ大きさで建設したにもかかわらず、青野スポーツ施設さんに測量してもらったところ、塁間が違っていたんですね。それを直していただいたり、あとは、当時いろんなクラブの子が亀裂骨折を起こしていたんです。何が原因か調べていると、アスファルトを走っていることが多いということが判明しました。青野スポーツ施設さんに何か良い対策はないかご相談したところ、グラウンド改修するタイミングでグラウンドの外周を走れるように舗装しましょうというご提案をいただいたり、我々が見過ごしている点を教えてもらいながら助けていただきました。

雨天練習場を建設したときも、将来的に敷地内にある山を造成してグラウンドを移転することを考慮して移設できるような形で作っていただきました。今、広島市内の硬式野球がある学校が騒音の問題で土日の練習ができない学校が出始めており、我が校もいずれ訪れる問題かと考えています。以前から広陵高校の周辺にお住まいの方々にはご理解をいただいていると思うのですが、代が変わって住む人が変われば音や夜間の照明が明るいという問題が出てくるかもしれません。いくら地域に愛されている学校といえども、生活に影響を与える騒音というのは今の時代許されません。そういうことを考えるとグラウンドの移転を早く行わないといけないと考えています。そうなるとやはり青野スポーツ施設さんがキーポイントとして出てきますよね。

チャレンジ精神溢れる学校運営

本校も125年の歴史の中で経営危機に陥るようなこともありましたが、やはり私立学校は生徒が来なくなると会社で言うところの倒産なんですよ。広島県は平成3年に18歳人口のピークを迎え、平成5、6年ぐらいから高校生の減少が始まり平成15年には少子化の影響が顕著に現れました。

本校は平成10年に男女共学化してから現在500名くらい女子がいますが、我が校の生徒数は女子がいなければピーク時から半減しています。それでは学校経営がとてもじゃないけどできない。男女共学化を行った当時の判断は非常に良かったと思っています。学校というのは古ければ良いというものではなくて、企業と同じように古い老舗ほど新しい技術、革新的な考えを取り入れてチャレンジしていかないと続かないと常々思っています。

男女共学化を行ったからには、女子生徒が活躍できる場を作ってあげないと、せっかく広陵高校に来てもらったのにやることがない。来年創部する女子硬式野球部をはじめ、女子サッカー部、ダンス部、弓道部など女子生徒が活躍できるステージが用意されているので思う存分活躍して欲しいです。

他には無料スクールバスの路線を増やしてこれまで広陵に通うことが難しかったエリアの方々にも来てもらえるように整備しています。もちろん採算が合わないような状況だと皆さんが納めてくれている授業料等で補填しなければいけないので、ある程度の全体の採算を見ながら行っています。

全国1000以上ある私立高校はこれからも同じように学校運営ができるかと言ったら、それはできない。我々も今できること、10年、20年後に学校が残せるかと言うことをひとつずつやっているところです。言い方が悪いかもしれませんが、学校は利益を出そうと思えばいくらでも出せるのです。でもそうじゃなくて子ども達が目指しているものを具現化させて実現できるためのツールを作ってあげることが高校の役割なのです。現在、ありがたいことに1300名前後生徒が来てくれていますが、広陵高校で3年間学び、友人・先生との接点を持って「広陵に来て良かった」と思ってくれる生徒を一人でも多く輩出しないと学校の将来はありません。

私立学校が特に厳しくなっているのは就学支援金のような制度が増えれば増えるほど、我々は多くの国民の方々に助けていただいて学校を運営させてもらっています。そうすると1円たりともお金は無駄にしてはいけないのです。いろんな業者さんに助けていただいていますが、青野スポーツ施設さんをはじめ、皆様方に色々と仕事のご無理を言うこともあります。以前は何十社という業者さんとお付き合いしていましたが、見直しを行い、学校と業者さんお互いの生産効率を上げるためにどうしたら良いかを考えながら金額面も多少優遇していただけるようにやっています。

広陵高校の部活動について

私たちは各クラブの成績はあまり気にしていなくて、どのクラブに何人入っているかという生徒の動きに注視しています。なるべく保護者の皆さんにお金の負担を掛けないよう、文化系の部活動は部費はいただいていませんし、硬式野球部でも月に1,000円程度の部費をいただいているだけです。野球部のボールもいろんな企業にお願いして新品のボールをいただいたり、まだ使用できる古いボールを何十ダースもいただいたりしています。野球部に限らず部活の応援はいくらでもしたいと思っています。私たちの目標は在校生の8割ぐらいが部活動に参加し、友達作りや先輩・後輩の関係性など学んで欲しいなと思っています。それが社会人になったときに役に立つと私たちは思っています。

本校の部活動は硬式野球部をはじめ柔道部、テニス部、ボクシング部、ゴルフ、少林寺拳法、あと体操が全国大会に出場していますが、やはり公式野球部はすごいですよ。野球部には110年の歴史がありますから親子3代、もしかすると親子4代もいるかもしれない。現役の生徒の中でもお爺ちゃん、お父さんが広陵高校の野球部出身というのが何組もいらっしゃる。ありがたいのは「自分が広陵高校で学んだから良かった。」ということで大切な息子さん・お孫さんを預けてくれています。県外からも「中井先生に子どもを預けたい」ということから広陵高校にお子さんを預けてくれるご家庭がたくさんあります。そういうひとつひとつのことを今の広陵高校に積み重ねていただいています。

広陵高校の野球部の凄さだなと思うところは1年生がクリーンナップを打っていた。私は10数年野球部を見ていますがこれは初めてだと思います。学校によっては上級生しか出さない、ベンチに入れないとかあると思うんですが、上級生も含めてみんなで話し合って選んでいるはずなんです。その許容性は本当に素晴らしいなと思います。硬式野球部は毎年どの大会でも優勝を目指しているし、できれば春・夏の甲子園をみんなで目指しています。中井先生をはじめ、勝つためにどうすれば良いかということを一人一人が考えています。

最近では野球部の歴史上初めて女子マネージャー入りました。今まではすべて断っていたのですが、すごく熱意のある子だったので、やってみるかという思いで入部を認めたのです。中井先生の心を動かしたんですからすごいことだと思います。中井先生は「変えられる力」を持っている。だから広陵高校は強いのではないかと考えています。私は野球部にこうして欲しいなどということは一言も言いませんが、練習場や寮は自分で見に行って、子どものためになると思うことは言わせてもらっています。

広陵高校の今後の目標

広陵高校硬式野球部は夏の甲子園で3回決勝戦を戦っているのですが、私はこの3回の決勝戦をすべて現地で観戦しています。3回とも目の前で負けていますが(笑)私の夢は生きている間に中井先生と夏の甲子園大会を一緒に優勝したい!もうひとつは野球場の移設です。これは私だけでなく学校全体の夢でもありますが、現在の野球場も建設から50年になりますからね。野球場は私が頑張れば実現できますが、全国優勝はそういうわけにはいきませんからね。あれだけ頑張っている姿を見ていますし、彼らは学校を引っ張って行ってくれていますので、どこかで叶えてくれると信じています。